あらすじ
母の罪と業を背負い、自らの血を知らずに生きる少女。奪われたその名と輝きを取り戻すまで――。
母の亡骸に縛り付けられ、暗い海を漂っていた幼女ビビは、冥界の舟人によって奇跡的に命を救われる。
しかし、生き延びた先に待っていたのは、顔も知らない母の過去が残した闇だった。
旧大陸の時世に翻弄された無力な母の咎とは何か。母の哀しみと愛を知った時、ビビは慟哭する。そして、自らの宿命と向き合うこととなる。
母が落とした小さな血の染みは、ビビや周囲の人々を巻き込んで、やがて王国をも揺るがす波乱となってゆくのだった。
――これは、ある母娘の数奇な運命を軸に織りなされる花色の群像劇。