あらすじ
辺境の小さな村で暮らすオッサン、ユーマ・アーケイン。
森に入り、狩りをして、薪を割り、静かに一日を終える。
そんな平穏な日々の中で、彼が唯一気にかけるのは、村外れで剣を振るう一人の少年だった。
少年の名はリック・ガフェイン。
聖騎士になることを夢見ているが、村では笑われ者だ。
「お前にそんな力はない」と言われ続けても、彼は剣を握ることをやめない。
ある日、ユーマはそんなリックの稽古を見て、ふと声をかけた。
「力は、信じたもののために振るうものだ」
その言葉をきっかけに、少年とオッサンの奇妙な師弟関係が始まる。
ユーマは時に厳しく、時に寡黙に剣を教え、リックは少しずつ成長していく。
やがて村では、ユーマがただの猟師ではないという噂が囁かれ始める。
“かつて帝国を揺るがせた剣士”――そんな物騒な話さえも。
季節が巡る頃、村を焼くように戦火の影が迫る。
王国と帝国、二つの大国が再び火花を散らそうとしていた。
そして、リックが慕う“あのオッサン”の正体を知る者たちが、静かに動き始める。
ユーマの手に残る古びた剣。
それは、彼が二度と抜かないと誓ったはずの刃。
少年が夢見る「聖騎士」という名の理想。
そして、オッサンが胸に抱く「贖い」という言葉。
二人の運命が交わるとき、忘れ去られた過去が再び世界を震わせる――。