あらすじ
美人な同僚・麗奈と一緒に異世界へ召喚された私――佐伯由香。
麗奈は「光の聖女」として王に称えられるけれど、私は“おまけ”扱い。
鑑定の結果は《才能なし》、そしてあっという間に王城を追い出されました。
行くあてもなく途方に暮れていたその時、声をかけてくれたのは――
人間に紛れて暮らす、黒髪の青年。
後に“元・魔王”と知ることになる彼、ルゼルでした。
彼に連れられて辿り着いたのは、魔王領の片田舎・フィリア村。
湖と森に囲まれた小さな村で、私は彼の「家政婦」として働き始めます。
掃除、洗濯、料理……ただの庶民スキルばかりなのに、村の人たちは驚くほど喜んでくれて。
「無能」なんて言われたけれど、ここでは“必要とされている”――
その事実が、私の心をゆっくりと満たしていきました。
やがて、村の危機をきっかけに、私の“看板の文字”が人々を守る力を発揮しはじめます。
争わずに、傷つけずに、人をつなぐ“言葉の魔法”。
そんな小さな力を信じてくれるルゼルとともに、私はこの村で生きていくことを決めました。