あらすじ
無関心な長男、いつも意地悪をしてくる次男、全く義兄弟と心を通わす事はできず、肩身の狭い思いをしながら過ごした公爵家。
けれど、そんな日々も今日で終わり。
もう二度とここには戻ってこないと、11年間過ごした部屋を出、結婚式を挙げるため、婚約者が待つ家へと馬車で向かっていた。
――はずだったのに、気がつくと辺りは血に濡れ、思わず鼻を塞いでしまいたくなるほどの鉄の匂いが、鼻を刺激する。
そして激しい体の痛みと共に、最期に苦手なはずの義兄弟の顔が思い浮かび、呆気なくその生を終えた。
「あ、れ……どうして、私の部屋にいるの……?」
何故か目を開けると、そこは戻ってこないと出たはずの、公爵邸の自身の部屋のベッドの上だった。