あらすじ

『僕の奥さんはかまってちゃん』

ありのままでいいよなんて
言わないでよ。

そんな優しい言葉、
まるで
賞味期限の切れた飴みたい。
甘いくせに、喉に引っかかる。

いい子じゃないとダメなんでしょう?
ほどよく笑って
ほどよく泣いて
ほどよく距離を保って
ほどよく理解して
ほどよく愛して

——“めんどくさくない私”
じゃないと、愛せないんでしょう?

私が拗ねると、
あなたは溜息をつく。

私が泣くと、
あなたは黙る。

私が傷ついたと言えば、
「またそれ?」って目をする。

ねぇ、聞いて。

これはわがままじゃないの。
これは、試してるんじゃないの。
これはね——

「見捨てられないか、確かめてるだけ」。

だって、怖いんだよ。
誰かに触れたら、
また急に離れられるかもしれない。

期待したぶんだけ、
空っぽになるかもしれない。

だから言うの。
意地悪な声で。
棘のある言葉で。
泣きながら笑って、
笑いながら泣いて——

 

「ねぇ、まだ私を見てる?」
って。

あなたは困った顔をして、
でも最後には腕を伸ばす。

その腕が、私の世界の境界線。
触れられた瞬間、
やっと呼吸ができる。

ありのままでいい?
本当?

じゃあ、聞くよ。

泣いても
ひねくれても
依存しても
嫉妬しても
すねても
幼くても

それでも抱きしめてくれる?

私が安心して子供みたいになっても、
「めんどくさい」って離れない?

私が弱くて言葉が詰まっても、
「察してよ」って言わない?

ねぇ、答えて。

——“都合のいい私”じゃなくて、
“ほんとの私”を、
 愛せる?

もし答えが「うん」なら、
その瞬間——

私はようやく、
大人になれる。

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アルファポリス
アルファポリス2025/11/17
  • 現在の作品《僕の奥さんはかまってちゃん》