あらすじ
伯爵令嬢のネルにはオーウェンという婚約者がいる。だが、それは借金の為に繋がれた婚約。その為、ネルからは婚約破棄を言い出せない。それを分かっているオーウェンはやりたい放題。ネルをぞんざいに扱い、女性を侍らせては伯爵家が自分のものになるのを待っていた。
ある日、いつものように苛立ちをネルにぶつけているのを騎士団長であるヴィクトルに見られた。
ヴィクトルはネルを心配して婚約を破棄した方がいいと諭すが、ネルは首を横に振るばかり。
そこで一連の経緯を聞いた。オーウェンが伯爵になればネルの一家は伯爵家を追い出されることを知った。
司書官の職に就いたネルにはそれなりの稼ぎがある。両親を養うくらいは出来ると豪語するネルをヴィクトルは強い女性だと称賛する。
「彼から解放されたら、新しい恋を見つければいい」
それならと、話の流れで言ったまでで深い意味はなかった。
本が好きで司書官になったネルは、当然恋愛小説も読む。読めば自然と興味が沸く。だが、婚約相手が浮気者では恋愛なんてわかるはずない。
それを知ったヴィクトルが「俺が教えてやろうか?」そう提案してきた。
三カ月だけの疑似体験。──のはずだったのに、優しく甘い言葉で誘い、時には意地悪な言葉で責めてくるヴィクトルの事が頭から離れなくなって…