あらすじ
霧深き霧降ヶ嶽――
そこに棲む天狗たちは、古より山を守り、時に人を導いてきた。
その山の片隅に、ひっそりと暮らす一羽の小天狗がいる。
名を 羽折(はおり) 。
飛ぶのは下手、風術も弱い。
だが一つだけ、他のどの天狗にもない技を持っていた。
――姿を変える、不思議で稀な力を。
ある日、天狗の山に“異界の揺らぎ”が告げられる。
世界の境がきしみ、向こう側から風が吹く。
妖怪たちの長が集う会議の末、選ばれたのは――
なぜか羽折だった。
……理由はどうあれ、羽折は異界へ渡る 特使 に任命されてしまう。
山を揺るがす使命と、本人の不安と、少しばかりの期待。
こうして、小天狗・羽折の “世界を越える旅” が始まる。