あらすじ

“こんな世界、間違ってる” そう叫んだきみは、もうここには居ない。 結局何が正しいとか、間違ってるとか、そんなの関係なかったんだと思う。 ただきみを、誰にも奪われたくなくて、必死で逃げた。 そこには正義も希望も無かったけど、初めての 「自由」を、きみはくれた。 ────照りつける様な太陽、眩い青空と、大きく背に映る積乱雲。 忙しなく合唱する蝉の音、揺れる海。 「ただいま」 長い髪を後ろで一つに結わえたスーツ姿の女性が、白い花束を大事そうに抱え、立つ。 潮風を胸いっぱいに吸い込み、寂しげに笑う。 きっと生涯忘れることの無い、あの記憶を想う。 ふと、いたずらな風に白い花びらが舞う。 ─────きみと、セーラー服が揺れて。 ─────ぼくだけの、あの夏を思い出す。 本当は、あの夏のきみに伝えたかったこと。 これは、ぼくときみの、炎夏の逃走劇。

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小説を読もう2020/09/11
  • 現在の作品波、晴るる。