あらすじ

海底都市シラス礁市の市役所には、市民の「やり直したい」を扱う窓口・リセット課がある。新人職員の大樹は、忘れたくても忘れられない性分を抱えたまま、この課に配属される。彼の仕事は、巨大な都市核ミスティカルホワイトクォーツに埋め込まれたリセットボタンを押すこと……ではなく、できるかぎり押さずにすませる方法を探し、人の後悔と向き合うことだった。  低姿勢で何度でも現場に足を運ぶ穂乃花、どんな相手にも感謝を言葉で返す栄悟、物事を筋道立てて進める志都帆、そして契約精霊ビーたちとともに、大樹はミスコピーされた試験問題、消えかけた仕訳データ、すれ違った「ごめん」と「ありがとう」など、ささやかだけれど切実なやり直し案件に向き合っていく。  そんな折、海底都市を照らすクォーツに亀裂が入り、「この夜が明けない」異常が起きる。ボタンを一度押せば、楽にすべてを巻き戻せるかもしれない。それでも彼らは、市民と手を取り合い、記録とことばと小さな選択を積み重ねて、押さないまま夜明けを迎えようとする。  忘れたい出来事をなかったことにするのではなく、忘れられない気持ちを抱えたまま前に進む。海底都市のリセット課で働く人々と精霊たちの、少し不思議であたたかなストーリー。

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エブリスタ
エブリスタ2025/11/15
  • 現在の作品この夜が明けるまで、海底リセット課はボタンを押さない