あらすじ
魔王は、死んでいた。勇者パーティが玉座の間に辿り着いた時、すでにその命は絶たれていたのだ。現場は完全な密室。容疑者は、その場にいた勇者、聖女、剣聖――パーティ全員。世界を救った英雄たちは、一夜にして殺人事件の容疑者へと転落した。
この前代未聞の事件の調査を命じられたのは、かつてそのパーティから「無能」の烙印を押され追放された魔法使い、アル。彼は詠唱が遅いというだけの理由で蔑まれ、全てを奪われた男。だが、傲慢な仲間たちは知らなかった。アルが持つ本当の力――あらゆる嘘を見抜き、確定した未来さえも視る【真実の魔眼】を。
自分を追放した者たちへ、今度は尋問官として対峙する。アルの魔眼は、仲間たちの偽りのアリバイと、隠された醜い本性を次々と暴き出していく。これは、最強の力を手にした元無能が、自分を貶めた英雄たちに絶対的なざまぁを叩きつける、痛快な復讐譚である。