あらすじ
「もしもあの時、俺が蛸になっていたら――」
コンビニで呟いた三十七歳無職の男。手にはカップ麺とうまい棒。
二十年前、海で溺れた時、確かに蛸が言ったのだ。
「お前の人生と、俺の蛸生を交換しないか」と。
あの時、交換していれば。
八本足で就活無双、墨で嫌な上司を撃退、満員電車とも無縁――
蛸こそが真の勝ち組ではないのか!?
そんな狂った後悔に囚われた男の前に、運命の女性が現れる。
初恋の相手、美咲。
二十年ぶりの再会。まさかの告白。そして――
「俺、蛸になりたい」
人生最大のチャンスで、なぜか蛸の話をする男。
そこから始まる、転落と覚醒と変身の無限ループ。
夢オチ? いや、まだ終わらない。
契約書にサイン? 気づけば寿司ネタ!?
実存主義哲学×蛸×不条理ギャグ=新感覚ふざけ倒し文学!
「もしもあの時」に囚われるすべての人間へ贈る、
芥川と太宰が墓場で歯ぎしりする(かもしれない)問題作。
※この作品を読んだあと、あなたはこう思うでしょう。
「もしもあの時、この作品を読まなければ……」
でも大丈夫。それが人間だから。