あらすじ
「ギルバート先生! こういうのどうですか?」
「どれどれ? 特定の人のみへの伝言魔法? なるほど、そういえば昔そういったものがあったような」
「えっ? そんな素敵な魔法あったんですか?」
「あーあったあった。この古文書にね、『テレパシー』って言うんだけど、特定の相手だけに意思を伝えたい時に使う伝達魔法って言うものが確かにあったらしいんだ」
「ふ~ん。そうなんだ……」
「リリア君、また何か余計な事考えてはないだろうね? 分かってる? 君は今補習中なんだよ。もう明日から冬休みなんだから、しっかり勉強しないとダメだよ」
リリア、ベルベット。
正真正銘、この王国の王女様だ。
俺は、王国傘下の貴族学園初等部を受け持つギルバード。25歳の新任教師だ。
4年C組担任だが、リリア王女の好奇心に振り回され続けている。
リリア王女は熱しやすく冷めやすい性格のようで、今は伝達魔法について調べたがっている。
普段の勉強がおろそかになっているせいか、数教科で赤点というさんさんたる今日この頃。
という事で、冬休み前の補習もなるべくしてなったと思う。
のんきな王女様だけど、俺は冬休みが明けた途端この子の壮絶な被害に遭ってしまうことになる