あらすじ

16世紀、イタリア・フィレンツェ。 音楽と芸術が花開くこの街で、青年ルカは作曲家を志していた。 だが貧しい身分の彼には、貴族に仕えるような機会は訪れず、 教会の聖歌隊で日々をしのぐしかなかった。 そんなある日、教会に雇われていた老練なリュート奏者、マルコと出会う。 マルコはかつて宮廷で名を馳せた音楽家だったが、 今は失脚し、誰にも顧みられない存在となっていた。 若きルカは、マルコの技術に驚きながらも、 古い形式に固執する姿勢を嘲笑する。 一方のマルコは、ルカの才能を認めながらも、軽率な情熱を疎ましく思っていた。 だが、二人は同じ旋律を追っていた。 「魂を震わせる音楽を作りたい」——その一点で、心が重なっていく。 やがて、教会の命で二人が共同で作曲することになり、 若さと経験、理想と現実がぶつかり合う。 無数の夜を越え、完成した一曲は、 まるで歳月そのものが息を止めたかのように、 聴く者すべての心を打った。 ——その日、人々は語り継ぐ。 ——「歳月が邪魔しなかった日」——と。

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カクヨム
カクヨム2025/11/13
  • 現在の作品歳月が邪魔をしない日