あらすじ
『癒しの王国 ――聖女は神を捨て、人を救う道を選ぶ』
「奇跡は、天から降るものではありません。
人の手で、心で、起こすものなのです――」
かつて“聖女”と呼ばれ、神の声を代弁してきた少女アリア・フォン・リュミエール。
しかし、その奇跡の裏では、権力者たちが人の命を“道具”として扱う闇の実験が行われていた。
真実を知ったアリアは、信仰と支配の鎖を断ち切り、すべてを失ってもなお――人を癒す道を選ぶ。
彼女を支えるのは、信仰ではなく“信頼”。
そして、冷静な瞳の王子セドリック。
二人が築こうとするのは、神のいない国、“人が人を救う王国”。
だが、かつての聖堂の影では、滅びたはずの狂信者たちが蠢いていた。
彼らが生み出した“第二の聖女”――人工生命体E-08。
涙を流すことを知らないその少女と出会った時、アリアは問われる。
「救いとは何か? 奇跡とは誰のためにあるのか?」
偽りの神を退け、苦しみの中に希望を見いだす物語。
癒しの力は、誰かを跪かせるためではなく、誰かの手を取るためにある――。