あらすじ
魔法が日常技術として浸透した王国。人々は感情を魔力に変換して生活しているが、「恋愛感情」だけは魔力に変換することが法律で禁じられている。理由は、恋の魔力が制御不能で世界を歪ませる危険性があるからだ。リリア・クロムウェルは王立魔法学園の優等生。感情制御の天才。エルド・フェンリスは感情をコントロールできず、リリアとは正反対。事故によって二人の魔力が融合し、お互いの感情が相手の魔法に影響する体質」になってしまう。学園長の命令で共同宿舎での同居を命じられる。騒がしい毎日の中で、少しずつ距離が縮まる二人。リリアが感情を押し殺せば殺すほど、エルドの魔力が不安定になり、世界はさらに歪み始める。エルドは「魔法が使えなくなってもいい、お前と一緒にいられる方が大事だ」と告白するが、それがさらなる暴走を引き起こす。リリアとエルドは勇気を出して魔法を発動。二人の成功により、恋愛感情の魔法が正式に研究対象として認可される。感情を抑えることが美徳とされる世界で、本当の気持ちに誠実であることの大切さに人々は気づく。恋は制御不能だからこそ美しく、人生を豊かにする魔法なのであった。
リリアとエルドの結婚から3年後。恋愛魔法は社会に受け入れられつつあったが、新たな問題が浮上する——「共鳴カップルから生まれる子供」の存在だ。隣国から15歳の少女アリアが訪ねてくる。彼女は秘密裏に生まれた最初の共鳴の子。魔力暴走で街を破壊し、以来魔力を封印する首輪をつけて生きてきた。リリアの子供に同じ運命を辿らせたくないと警告に来たのだ。リリアとエルドはアリアを家族として受け入れる。彼女の孤独と苦悩に共感し、共に制御法を模索する。アリアは首輪を外すことを決意。共鳴の子は危険ではないことを証明する。メルド教授を責任者に共鳴の子のための支援システムを構築する。
陣痛が始まったリリア。出産の痛みでセレナの魔力が暴走しかけるが、エルドとの共鳴で乗り越える。生まれたセレナは、泣くのではなく笑い、その瞬間病院全体が癒しの光に包まれる。彼女の力は治癒と創造の魔法だった。
リリアとエルドは第二子(双子のルナとソル)を授かり家族が増え、幸せな日々を送った。アリアにも恋人ができ、彼女もまた、自分らしく生きることができるようになった。
恐れや偏見を乗り越え、理解と愛で新しい世界を創ったのだった。共鳴の子は脅威ではなく、世界を繋ぐ架け橋となった。