あらすじ
豊後国(大分県)別府石垣原。
関ヶ原の戦いの前哨戦として、東軍・黒田如水の一万もの兵が、西軍についた大友義統の兵、わずか二千に猛烈な圧力をかけていた。戦線は膠着しているように見えながら、その内実は、大友軍の壊滅が刻一刻と迫る絶望的な状況である。
しかし、この石垣原の戦いには、地図にも歴史にも表に出ない**“もう一つの戦”**が存在した。
それは、戦場から遠く離れた山の奥、別府の湯けむりが立ち込める乙原おとばるの谷――
この谷に、大友宗麟が半世紀以上もの間、豊後の富の源泉として秘匿してきた金銀銅の採掘所と、それを鉄壁の如く守護してきた大友忍軍の存在を巡る、漆黒の**“影の戦い”**である。