あらすじ

東京・蒲田。年に一度のフラ発表会の最中、フラ教室主宰者のルミ子は息子・祐樹が消えたことに気づく。小学二年生の祐樹は、母に隠され続けていた“父からの手紙”を偶然読んでしまい、会いたい気持ちと、母への不信と寂しさに押されて家を飛び出したのだった。 繁華街の横断歩道で、祐樹はワーゲンバスの若いカップル・春彦と玉枝に危うくはねられ、泣きながら「お父さんに会いたい」と告げる。二人は祐樹の想いに胸を動かされ、愛知県・三好丘に住む父・祐太朗のもとへ連れて行く旅に同行することに。 道中、焼津の玉枝の実家での小さな騒動、上郷SAでのパンク、親切な修理工場との出会いを経て、三好丘の古い団地で祐太朗と再会。祐太朗はハワイのクム(師範)の跡継ぎとして生きる重圧に耐えきれず逃げた過去を抱えていたが、祐樹を前にして後悔と愛情が溢れ出す。 翌日、長久手のショッピングセンターで開かれるフラ発表会で、祐太朗は祐樹を“男のフラ(カネフラ)”のステージに誘う。炎天下、父子が並んで踊る姿は圧倒的で、観客はもちろん、春彦と玉枝も涙を流す。そこへ駆けつけたルミ子も、息子の才能と成長を目の当たりにし、父と息子の距離を受け入れざるを得なくなる。 しかし祐太朗は「祐樹とルミ子の元へ戻る」道を選ばず、恋人ひとみの妊娠という新たな命を守るため、現在の生活に留まる決断をする。 祐樹は涙の中で父の選択を受け止め、母の胸に抱かれながら東京へ帰る。 家族の形は様々で、誰も正解を持っていない。それでも祐樹は、フラという“つながり”を胸に未来の一歩を踏み出していく――。 涙と再生を描く、心優しい家族再生の物語。

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小説を読もう2025/11/14
  • 現在の作品フラと少年 ~家出から始まったのは、“本当の家族”を探す旅だった~