あらすじ
病院で息を引き取ったはずの男は、気づけばかつて熱中していたVRMMO《アルダ=ネクロメイア》の世界に立っていた。
しかしそこは“ゲーム”ではなかった。NPCは意識を持ち、プレイヤーの姿をした存在は“人形”のように動く。
そして彼だけに与えられた称号——《観測者》。
それは、世界の“歪み”と“死者の記録”を読めてしまう特異点だった。
墓守との邂逅で得た力と代償。影に宿った囁き。
この世界の裏側が“再利用された死の記録”で構築されていると知った彼は、やがて誰にも視えない少女と出会う。
名を——フィア・クラウゼル。
彼女は観測されない“記録の影”として、存在すら揺らぐ少女だった。
だが、クロウが「視る」と選んだ瞬間、彼女は世界に居場所を取り戻し始める。
世界はふたりを排除しようと牙を剥く。
それでも彼らは進む。
“生きる”と決めたからではなく、“一緒に歩む”と選んだからだ——。