あらすじ
古くから人間は、"死"を恐れてきた。人々は願う。
――永遠に生き続けたい と。
とある学者が、魂をデータにする技術を開発した。たとえ肉体が滅んでも、データが残っている限り世界に存在することができる技術だった。
人間が持つすべて。感情。記憶。熱、涙。すべて、データに変換された。何もかもがAIによって構成され、「永遠に生きる」という夢はかなえられた。その日から、生き物は”エラー”と呼ばれるようになった。世界に存在してはいけないものとして、エラーは徹底的に処理されていった。
それから幾千年。
完全な静寂が包む街の中で、一人の人間が歩いていた。名もなければ記録もない。最後の”エラー”。 そのエラーには温度があった。その胸には心があり、感情が眠っていた。
やがて、データの雨の中、エラーは”声”を聞いた。
――「あなたはまだ生きるの? 何故、生き続けるの?」
存在しないはずの声。それは世界の記憶そのものだった。
滅びた魂を探す旅が、エラーが存在を取り戻すための旅が始まる。それは再び、生命を取り戻すための――――――――
―――――――最後のプログラムだった。