あらすじ
魔法と武が共存する世界。
三百年前、空を焼き尽くした怪物――凰(スメラ)――との戦いの果てに、
一人の女性がその身を捧げ、災厄を封印した。
以来、人類は“封印の女神”の伝説を信じ、
人工太陽〈レイ・ソル〉の下で、かろうじて生をつないでいる。
しかし、その光は永遠ではない。
魔力の減衰により、いつ再び世界が闇に沈むかは誰にも分からなかった。
そんな時代に生きる青年――ラース=トライズン。
気さくで明るい性格の彼は、太陽を取り戻すことを目的とする組織〈アドラ〉の一員として活動していた。
暗闇の中でも光を見失わないその姿は、仲間たちの希望そのものだった。
一方、貴族の娘でありながら、己の運命を変えるために家を捨てた少女――ルナ=ウィルメイビス。
彼女はかつて命を救ってくれたアドラの一人に憧れ、
強い意志を胸に組織へと身を投じる。
しかし、その冷たい瞳の奥には、誰にも見せぬ葛藤と痛みがあった。
ふたりが出会った時、止まっていた歯車が動き始める。
太陽の謎を巡って動き出す国家、宗極、そして鳳を崇拝する闇の教団。
失われたはずの“神々の炎(フレイム)”が再び世界に姿を現すとき、
ラースは次第に、自らの中に眠る“真実”へと近づいていく。
それは、光を取り戻すための旅であり、
世界の理を塗り替える“記憶の戦い”。
そして、彼自身が抱える“運命”との対峙でもあった。
やがて、ラースとルナは知ることになる。
太陽が消えた本当の理由を。
封印の女神が残した“遺志”を。
そして、この世界が抱える“選択”の意味を――。
暗闇に包まれた空の下で、彼らはそれでも前へ進む。
たとえその炎が、再び世界を焼き尽くすとしても。
「太陽を取り戻す。その意味を、俺たちはまだ知らない――。」