あらすじ
大学のオカルト研究会に所属する十人の学生。ある夜、彼らのスマホに突然インストールされた謎のアプリ《LIFE BET》。
そこに表示されたのは、不気味なルールだった。
「寿命を賭けて、他者との“信頼”を測定せよ。24時間以内に初回ベットを行わない場合、寿命を没収する。」
最初は冗談だと笑い合ったが、試しに起動した悠真の寿命が本当に十年減った瞬間、空気は凍りついた。肌が枯れ、爪が変色する――それは幻ではなかった。逃げることも、削除することもできない。彼らは、命そのものを賭ける異常なゲームに閉じ込められる。
冷静な恋人同士だった駿と澪、心理学専攻で他者の心を観察する玲那、そして軽口ばかり叩いていた悠真。
やがて、最初のゲーム「コイントス」で駿は玲那に敗れ、寿命を三年失う。
そのわずかな“老化”が、彼の中の理性を崩し始めた。
玲那はその変化を見逃さなかった。彼女の研究テーマは「共感と支配」。
言葉、呼吸、触れ方――すべてを計算し、駿の心に入り込んでいく。
「信じるって、怖いね。でもそれだけが、人を繋ぐの。」
その声は甘く、同時に冷たかった。
澪は駿を守ろうとするが、次第に彼女自身も孤立していく。
孤独の隙間を埋めるように、悠真が手を差し伸べた。
そして“信頼”を測るはずのLIFE BETは、いつしか愛と依存の実験装置へと変わっていく。
誰かを信じれば寿命が削れ、疑えば心が壊れる。
友情、恋愛、憎悪、欲望――そのすべてが賭けの通貨となり、彼らの精神はじわじわと侵食されていく。
支配する者、従う者、裏切る者、赦す者。
やがて全員が、自らの“信じたい誰か”を賭けることになる。
そして最後に残る問いは一つ。
「信じることは、生きることなのか――それとも、死ぬことなのか。」
静かな狂気と倫理の崩壊が絡み合う、愛と支配の心理ホラー。
人の心を賭ける最も残酷なギャンブルが、今、始まる。