あらすじ
三百年前、異世界から召喚された初代勇者が魔王を討ち、
世界に平和をもたらした――。
それは、人々が信じて疑わない“神話の始まり”であった。
これは残されたものたちが紡いだ物語。
時は流れ、勇者の血を継ぐとされる**痣者(あざもの)**たちが、
再び各国から召集される。
王宮の穹詠みが「魔王復活の兆し」を告げたのだ。
だが、その中にひとり、
薄い痣を持つだけの少年がいた。
海を隔てた孤島で生きる彼の名を知る者はいない。
彼の恩恵(ギフト)は《JOKER》――
殺した相手のスキルを、超低確率で奪うという力。
仲間に拒まれ、誰からも信じられず、
少年はただひとり、討伐の旅へと向かう。
旅を通じて世界が信じる“正義”に疑問を抱いた時、
少年の旅の目的は大きく変わる。
やがて彼は、勇者を信じ、勇者に裏切られ、
勇者という存在を否定する者となる。
「勇者とは、何を為す者なのか。」
それを知らぬまま、
彼は世界の“神話”そのものに刃を向ける。