あらすじ
誰もが幸福を願う国、ラタヴィニア。
国民は一人一台のスマホで「抽選アプリ」を開き、毎朝その日三名の当選者を祝福する。
当選者には十万円が贈られ、ニュースでは笑顔と拍手が流れる。
そのすぐ横で、小さく報じられる――「死刑囚三名、執行」。
少女ミラはその時間の一致に違和感を覚え、
やがてこの制度の裏に隠された“もう一つの真実”に触れてしまう。
「抽選する」という無邪気な行為が、実は“死を実行する”ことだった。
国は穏やかな笑顔で全てを覆い隠し、真実を知った者は消されていく。
それでも世界は、優しく明るく続いていく。
「知らないほうが、幸せなこともある」
――祝福という名の死が、今日も静かに選ばれていく。