あらすじ
⬜︎本編あらすじ
太陽が二度昇るーーー
そんな時代が、いつのまにか当たり前になっていた。
空には巨大な光(ひかり)の環(わ)
幻環(アニュラス)が浮かび、その中心で突如あふれ出した闇色(ダーク)の海(マターシー)が、地球上のすべての動植物や人間をデータ化して、新生命体へと変えてしまった。
多くの存在は消滅し何万年もの間、世界は沈黙に包まれる。
だが、“強い想い”や“忘れられない記憶”を宿していた者だけが、変わり果てた地球上に、新人類として生まれた。
そして、一人の少年が砂漠地帯の彼方で、再び目を覚ます。
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少年の名は――アルテナ
データ化された人類。
失われた世界を修復しようとする少年。
かつて自分が人間だったことや、名前以外、彼の記憶はほとんどが闇色(ダーク)の海(マターシー)によって失われていた。
そして、砂に覆われて崩れかけた廃教会で出会った、翡翠色の瞳が特徴の少女。
名前以外のすべての記憶を忘れていたその少女の名を
――ノエマ
といった。
アルテナとノエマは、荒廃した世界にある砂漠地帯で出逢い二人はやがて「世界中のすべての記憶を取り戻す旅」に出かける。
バグやウイルス、異星生物が跋扈する変わり果てた地球で、二人は失われた想い出の断片を修復し、かつての足跡をたどっていく。
アルテナは、闇色(ダーク)の海(マターシー)より以前に自身が発明した記憶(メモリア)復元装置(ドライブ)によって、散らばった記憶データを吸収・解析、時には修復して、失われた心や大切な想い出を再構築していくのだった。
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この世界では、彼らの体はホログラムのような実体を持つデータで、五感も痛みも存在するが、それは“記録された感覚”にすぎない。
食事も、排泄も、睡眠もただのデータ循環行為。
だが、それを怠ればバグが生じ、精神が壊れてしまう。
だから人間だった頃と同じように、
食卓を囲み、眠り、笑い、涙する。
まるでそれが、“生きる”という証のように。