あらすじ
鎌倉・由比ヶ浜。
潮の風が吹くカウンセリングルーム《虚空カウンセリング》。
そこに座る青年――**朝日奈恋九郎(あさひな・れんくろう)**は、人と人を結ぶ“縁”の流れを見ることができるカウンセラーだ。
扱うのは、心の奥に沈む「未完の縁」。
手にするのは、一枚のタロットカード。
訪れる女性たちは、誰もが“人生の岐路”に立っている。
自由を求めて世界を彷徨うバックパッカー。
嘘と創造の間で迷う映像作家。
祈ることを忘れた修行僧。
母性を失った主婦、強さに溺れた経営者、恋に壊れた教師……
彼女たちは、それぞれのタロットが導くテーマ――《愚者》《女帝》《恋人》《塔》《星》――のもとに、自らの“縁”を見つめ直していく。
恋九郎はカウンセラーとして寄り添いながら、
時に導き、時に迷い、そして――愛する。
彼自身もまた、過去に“ひとつの縁”を失った男だった。
海辺で出会い、風のように去った少女・あかり。
彼女こそが、すべての物語を結ぶ“最後のカード《世界(The World)》”となる。
タロットは占いではなく、「心を映す鏡」。
誰かを救おうとするとき、人は自分の魂と向き合うことになる。
《縁》とは何か。
愛とは何か。
――そして、失ったものは本当に失われたのか。
22枚のカードが描く、22の愛と救済の物語。
タロット×心理カウンセリング×鎌倉。
それは、心の“縁”を癒すオムニバス・ヒューマンドラマ。