あらすじ
中学1年の阿部祐樹は、幼いころからヒーロー映画『鋼鉄仮面』が大好きだった。
夏休み、祐樹は最新の模型キット「鋼鉄仮面Ver.∞」を完成させるが、雷鳴の夜、落雷の閃光とともにその模型が青く光り、祐樹の体と一体化する。
翌朝、夢かと思った出来事が現実だったと知る。祐樹は“本物の鋼鉄仮面”として変身できるようになっていたのだ。
そのころ、祐樹の兄・春彦もまた、ライバルキャラ「黒色仮面」の模型を完成させていた。
だが、実験中の事故で右腕を負傷し、何かが彼の中で狂い始める。
兄の心の奥にあった孤独と劣等感が、黒色仮面のスーツに取り込まれ、彼自身が“黒色仮面”へと変貌してしまう。
かつて憧れたヒーローの夢が、兄弟を引き裂く運命の力へと変わった。
祐樹は学校生活を続けながらも、兄の異変を感じ取る。
やがて「黒い光をまとった仮面の男」が街を襲うというニュースが広がり、祐樹は鋼鉄仮面として立ち向かう。
夜の街で初めて対峙したふたりは、互いに正体を知らぬまま戦うが、やがて祐樹はその声から黒色仮面の中に兄がいると気づく。
「兄さん、やめて!」――祐樹の叫びもむなしく、黒色仮面は暴走を続ける。
東京上空に出現した“電磁嵐”の中心で、ふたりの最終決戦が始まる。
青と赤の光が激突し、雷鳴が世界を裂く。
だが、祐樹の中に残る“兄への想い”が、暴走する黒色仮面の心をわずかに取り戻させた。
「祐樹……お前は、お前の空を飛べ。」
兄の言葉を最後に、黒色仮面は光となって消える。
夏の終わり。
祐樹は机の上の“鋼鉄仮面”に、兄の残した黒い破片をそっと埋め込み、誓う。
――もう誰かの作ったヒーローじゃない。自分の手で、新しい空を描くんだ。
新しい設計図のタイトルは「スカイフォージャー」。
それは、兄の魂と共に未来へ翔ける、祐樹自身の物語の始まりだった