あらすじ
――音は、方程式だ。
そして、生きることもまた、ひとつの音楽だった。
星野蓮、25歳。
かつて天才数学者としてハーバード大学で最年少教授に就任した青年。
だが、成功と称賛の中で彼はふと立ち止まる。
「これは本当に、俺の生きたかった人生なのか?」
心の欠片を埋めるように訪れた楽器店で、
彼はひとつの水色のギターに出会う。
そして、そのギターが彼を“運命”へと導いていく。
広場での即興演奏――
偶然その音を聴いたのは、中学時代の同級生・遥だった。
再会をきっかけに二人はバンドを結成する。
名もないそのバンドは、後に世界を震わせる存在となる。
やがて加わるベーシスト・瑠美、
ドラムの亜香里。
四人の音が重なった瞬間、
人々はその名を呼んだ――ユメトセツナ。
顔を出さず、声と旋律だけで世界を魅了した彼ら。
しかし、その裏で蓮は“もう一つの自分”と向き合っていた。
数学者としての理性、音楽家としての情熱。
ふたつの世界を越え、彼が見つけた答えは、
**「音楽そのものが、名誉であり誇りだ」**という真理だった。
やがてユメトセツナは伝説となり、
大阪は“音楽の聖地”として世界一の街へと変わる。
それでも蓮は静かにギターを弾き続けた。
名もない路上で、誰かの心に“青の音”を届けるために。
――夢と刹那を、生きよう。
この物語は、
音で生き、音で祈った四人の青春と永遠の記録である。