あらすじ
「あなたの“忘れたい思い出”を、丁寧に手洗いします。」
古びたクリーニング店〈白布舎〉の奥には、人の“記憶”を洗う装置がある。
青年・鷹野は依頼人の痛みや喪失を「脱色」し、無害な思い出として返す“記憶の洗濯屋”。
ある日、恋人の記憶を消したいという女性・汐音が訪れる。
だが、洗い流されたはずの記憶は、夜ごと白い布片となって夢に現れ、彼の心を締めつけていく――。
“忘却”とは、本当に救いなのか。
それとも、痛みこそが生の証なのか。
記憶が反逆を始めた夜、鷹野は気づく。
——洗うのではなく、仕立て直すことこそ、人が前に進むための儀式だと。
愛と喪失、赦しと再生をめぐる心理SF文学。
あなたの“思い出”は、どんな色をしているだろうか。