あらすじ
表向きはオカルト探偵——しかしその正体は、論理の怪物。
月詠栞(つくよみ しおり)、十五歳。透き通る紫の瞳と儚げな笑みをたたえた彼女は、「言霊の巫女」と称される。しかし、その神託はオカルトではない。栞は、事件のあらゆる証拠、関係者の心理、偶然と必然の絡み合いを読み解き、必然的にそうなる結末を”予言”するのだ。
元刑事の犬飼(いぬかい)は助手兼お目付役として派遣されるが、奇怪な「神託」に日々翻弄される。
密室で死体が発見され、旧家では予言通りに死が訪れ、廃ビルでは失踪者が増える——しかし栞は現場で紅茶を飲み、静かに言う。
「三日後、犯人は自首します」
荒唐無稽に見えるその言葉は、果たして嘘か、真か。
すべての事件は、やがて栞の「神託」が示した通りに収束する。
その嘘の背後に潜む、論理の迷宮とは——。