あらすじ

を生み出す者《花生み》と、その花を糧とする者《花食み》が共に生きる世界。
坂崎悠(さかざき はる)は、かつて海外の名家に“花”として売られた花生みだった。そこで出会ったのが、三島家の一人息子・三島都榛(みしま とばり)。最初は主従のような関係だったが、互いに人として触れ合ううち、悠は都榛を慕い、都榛もまた悠を誰より大切に思うようになる。だが、自分が都榛の“糧”として生きる存在だと知った日、ふたりは運命に抗うように国外へと逃げ出した。

日本に渡ったふたりは、名もなき街のアパートで慎ましく暮らす。
夜は悠がバーで働き、昼は都榛が同じ店のスタッフとして働く──そんな穏やかな日々。だがある日、都榛の故郷からの手紙を悠が破り捨てたことで、都榛の両親が跡目争いに巻き込まれ殺害されてしまう。真実を知った悠は、自分が都榛から“家族”を奪ったと責め、彼のためにだけ生きることを誓う。
もう二度と、都榛から何も奪わないために。恋を、幸福を、命さえも贖罪として捧げようと。

けれど、花生みである悠の身体は限界を迎えていた。
花を生む痛みは、ブートニエール──花食みとの絆を結ぶことで軽減される。都榛は幾度も「俺とブートニエールになろう」と手を差し伸べるが、悠はそれを拒み続ける。都榛を愛しているからこそ、罰を逃れたくない。痛みこそが、己の罪の証なのだと。

やがて、かつて悠を売った男が現れ、過去の悪夢が甦る。
激しい痛みと共に、悠の身体は“狂い咲き”の状態に陥る。胸や掌、背中から咲く青い花。痛みに呻きながらも、悠は誰にも助けを求めず、その花を引き抜いては床に捨て続ける。彼の命は、都榛に触れないまま、少しずつ青い花と共に削られていき────

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アルファポリス
アルファポリス2025/10/23
  • 現在の作品ピュアブルーにくちづけ