あらすじ
とある異世界、その中心に位置する中央大陸で、八大公――ドラゴニュート、ヒューム、エルフ、ドワーフ、オーク、ゴブリン、オーガ、ビーストマン各種族を統べる者・大公――の乱と呼ばれる大規模な内乱が起き、様々な種族が覇権を求めて争った。百年後、ドラゴニュートの軍が大陸を制覇して皇帝となるが、わずか三年で謎の死を遂げた。二代目の皇帝は圧政を敷いて民を虐げ、大規模な反乱を招いた。
帝国に与していない大公家の残党や山・海賊などからなる反乱軍、さらに周辺の大陸や島国からの干渉軍まで加わって、大陸は再び混乱の渦中に投げ出された。
終わりのない戦乱続く大陸で、ある転生者が、反乱軍首謀者の一人に戦歴を認められスカウトされる。以後、戦果を上げたり変化する人間関係の中で悪戦苦闘しつつのし上がっていく。
ガーヤ・フォット:浅黒い肌に黒髪の眠たげな眼をした中背の男。元は社畜として日本でブラック企業勤務の末に二十八の若さで過労死した転生者で、本名は高山誠司。日本にいたころは、歴史や武術が好きで、よく本を買って読んでいた。歴史好きがこうじて、英雄にあこがれを持っており、自分も何か成し遂げたいと思っているが、勉強やスポーツ、音楽などの趣味をコツコツと地道に努力してもまあまあできる程度で大成しない。冷静なつもりではあるが、出たとこ勝負に出ざるを得ないことが多く、貧乏籤を引きがち。高山家の親族だけで細々と受け継がれてきた高山流槍術を修めている。転生後は、混ざり者や雑種などと呼ばれる多種族の血が混じった者たちが集まった自治領で小作農の家に生まれ農園で働く。小作農では稼げないので、傭兵になって出稼ぎに出た。のちに、自治領で衛士として雇われる。前線勤務を務めあげてからは、自治領首都の警備部隊に勤務し事務仕事を淡々とこなす日々を送る。乱世とあって、戦国武将のような活躍をしたいという思いはあったが、諦めを覚えていた。歴史や軍事に関して素人よりも知識量が多く専門家よりは少ないが、幅は広い。目指す偉人は藤堂高虎。知勇兼備を目指すが突撃で物事を解決してきたことから周囲の評判は脳筋で、不本意。
ティーオ・デ・トリア・オンブロン:異世界の大陸で竜人族との戦いに敗れた両性具有の亜人族・グリーザエルフの大公の嫡子。各地で起こった反帝国の動きに呼応して、反乱軍を立ち上げる。中性的な顔は整っているが、性格は攻撃的で性急。極めてケチ。人材不足を補うために子飼いの部下を集めようとしたところに、ガーヤを見出した。信頼できる家臣が少ないので、ガーヤを重宝してこき使う。
アマリ・ラ・クンターゼ:薄緑色の肌に鋭い犬歯を持つ活発な赤髪の少女。ラグーザ自治領の商業都市周辺で狩りや害獣駆除、特定の地域を治める森林自警団の一員。ビーストテイマー兼猟師で、弓の名手が多いラクンターゼ家においても上位に入る腕前で、火縄銃もたしなむ。短絡的で行動的、悪人ではないが山賊討伐で血を見ており戦いになると容赦は微塵もない。
パブリオ・ラ・クンターゼ:アマリの父親で森林自警団の団長。一見豪放磊落だが、小狡い中年男。自治領の有力者。
カミリア・ユッコ:ガーヤの衛士団現役時代の上官。元はどこかの貴族で自治領二は珍しく混ざり者でない人族。気さくで優しくカリスマ性もあり、戦闘能力にも長ける。北方蛮族の襲撃を退けて以来ガーヤを気に入っている。衛士団退団後は、自治領首都で暮らしている。
竜帝:中央大陸を統一したドラゴニュート。竜人族の建てた竜帝国の二代目皇帝。政務は大臣たちに任せて、遊び惚けている。