あらすじ
裁縫師リラは、王国から魔王軍に送り込まれた密偵。
彼女の武器は剣でも魔法でもなく――針と糸。
仕立てる衣は“暗号”を秘め、刺繍に込めた“魔力の糸”で敵の情報を縫い取る。
冷酷な魔王の城で、リラは正体を隠しながら今日も針を動かす。
だが、ある日現れた**「紅の将軍」**が、彼女の縫った衣をまといながらこう言った。
「……この針の手触り、どこか懐かしいな」
リラは気づく。
彼こそ――かつて守れなかった“あの人”だということに。
裏切りと忠義の狭間で、
彼女の針が縫うのは、滅びゆく世界か、それとも愛の形か――。