あらすじ
『馬場功淳物語 ― 白猫の奇跡 ―』
ブラウン管の光の海で
ひとつのドットが、息をした。
それは、少年の夢だった。
世界を作る手が、自分にもあると信じた夜。
蛍光灯の下、
カタカタと鳴るキーボードが、
仲間との未来を打ち鳴らす。
「遊びこそ、最高の学びだ」と笑いながら、
夜明け前の研究室で、青春はプログラムになった。
スーツの襟が喉を締めつける朝。
巨大な会社の歯車になって、
ふと立ち止まる。
――魂が、燃えていない。
あの頃の“光るドット”を、取り戻したくて。
狭いアパート。
机の上のノートPCひとつ。
それでも、宇宙を描けると思った。
『コロニーな生活。』
人の移動が、冒険になる――。
たったひとりの夢が、無数の足跡をつくった。
スマートフォンが世界を変えた。
指先の魔法で、物語が動き出す。
『黒猫のウィズ』、そして『白猫プロジェクト』。
その名のとおり、希望は走り出した。
眠らぬ夜、モニターの青が照らす。
誰かの“日常”が、少しでも明るくなるように。
フラッシュの光、株価の波。
成功のざわめきの裏で、
ひとり、窓の外を見ていた。
「数字じゃない。
俺たちは“夢”を売っているんだ。」
冷たい法廷、紙の束、
任天堂という巨壁。
孤独の中で、彼は呟いた。
「争いではなく、創造を。」
その声は、誰よりも静かで、強かった。
やがて再び、白猫が駆け出す。
若き仲間の笑顔。
新しい音楽、新しい世界。
「君たちの“好き”を信じていい。」
あの少年の言葉が、また息を吹き返した。
東京タワーの灯が遠く瞬く夜、
ひとり静かに思う。
経営は理性、創造は感情。
その狭間で生きることこそ、
“人間”というゲームだ。
そして今、
ARも、VRも、メタバースも――
現実の延長線上にある。
「人が歩く限り、世界はまだ広がる。」
――白猫が跳ねる。
光が伸びる。
その先に、まだ見ぬステージがある。
遊びが、世界を動かす。
彼の残した言葉は、
静かに、未来を照らしている。