あらすじ
魔法が使えないのに“聖女”として選ばれ、帝国皇子の婚約者に指名されたフィレンツェ伯爵令嬢フローレンス。
「何もできませんけど、それでもいいですか?」と最初に言ったはずなのに……
彼女は“何もしない偽聖女”として婚約を破棄され、帝国を追放されてしまう。
傷心ながらも、隣国トスカーナでのんびり紅茶とお昼寝の日々を過ごす彼女。
しかし――彼女が訪れた国では、不思議な奇跡が起こり始める。
病に伏していた国王が回復し、荒れ果てていた土地が豊かに蘇る。
実は彼女こそ、無意識に強大な癒しの魔力を放つ“本物の聖女”だったのだ。
一方、フローレンスを失った帝国では病が広まり、豊かさが失われ、
“真の聖女”とされた少女さえ魔法を失っていく――
すべては、彼女がそこにいなかったから。
「……何もしないのに、どうしてこんなに感謝されるのかしら?」
やがて再び招かれた帝国で、フローレンスはただ静かに紅茶を飲み、お昼寝をするだけ。
けれどそれだけで、世界は少しずつ癒されていく。
“何もしない”ことが“誰かの救い”になる、優しくてあたたかな聖女譚。
これは、ひとりの少女が“何もしない”まま、世界を救ってしまう物語。
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