あらすじ
主人公・鷹野湊(たかの みなと)は都内の大学に通う二十歳の学生。
心理学を専攻し、人間の“信仰と恐怖”の関係を卒論テーマに選んでいた。
夏休み、友人の柊真(しゅうま)から一枚の写真が送られてくる。
そこには廃村の中にぽつんと立つ「祈り堂」**という古い祠が写っていた。
“この中には、神様じゃなくて、人が封じられているらしい”——。
軽い興味本位で訪れた湊たち五人の大学生は、そこで「祈る者の声」を聞く。
やがて彼らの周囲で、見えない“誰か”が一人ずつ行動を操り始める。
「彼を助けたい」と願うほどに、“祈り”が呪いに変わっていく。
それはかつて村を焼いた住民たちの贖罪の信仰が、時を越えて宿ったものだった。
湊は仲間の命を救おうとするが、やがて自分の中にも“祈る存在”が棲み始める。
信じる心は人を救うのか、それとも破滅へ導くのか。
「愛」「勇気」「友情」「希望」「絆」という純粋な想いが、
どれほど恐ろしい歪みを生み出すか——。
最後に湊がたどり着く真実は、“祈りとは神を縛る鎖”だった。