あらすじ
中村悠。警察官になりたかったが、夢は叶わなかった。だから彼は偽の制服を着て、夜の街をさまよう。
ある夜、職務質問をした男——シゲ。穏やかな笑顔の裏に、冷徹な殺人鬼の顔を持つ男。中村はシゲの正体に気づきながらも、惹かれていく。
そしてシゲもまた、中村に興味を持つ。「あなたは面白い人ですね」
15年後、二人は再会する。
「そういえば、お名前を聞いてませんでしたね」
中村は絶句する。15年間、シゲは自分の名前を知らなかった。
名前も知らない相手に、人生を捧げた15年。
何者にもなれなかった男と、15人を殺した男。
誰も知らない、15年の物語。
これは、虚無の物語。