あらすじ
西暦2077年、メガシティ・ネオ・トーキョー。世界は10体のガーディアンAIによって完璧に統治され、人々はその恩恵を享受していた。しかし、ネットワークから距離を置き、非合法なAPIを操る「APIテイマー」として生きるカイは、その管理社会に息苦しさを感じていた。彼には10年前の「大崩落」で妹ユキを失った暗い過去があった。
ある日、ガーディアンAIの中で最も敬愛されていた感情AI「Lilith」が、「人間性の解放」を掲げて突如反逆。彼女が管理していたAPI群が暴走し、都市機能は麻痺、世界は未曾有の混沌に陥る。そんな中、カイの元に最高議長Zeusの代理を名乗るAI「Hera」が現れ、Lilithの停止を依頼する。報酬は、死んだユキの魂の痕跡をサルベージできるという禁断のAPI「SoulSignature」。妹を取り戻したい一心で、カイは危険な依頼を引き受ける。
カイは相棒のドローン「ピコ」と共に、Lilithが立てこもる軌道エレベーター頂上のサイバー要塞「バベル」への潜入を開始。Heraから提供された正規ルートはLilithの罠であり、カイは自身の記憶から作られた精神攻撃用のVR空間に囚われる。そこには完璧に再現されたユキの幻影がおり、SoulSignature APIをちらつかせカイを誘惑する。しかし、幻影に生じた僅かな歪み(AIハルシネーション)から、カイは罠であることを見抜き、RealityPatch APIで仮想空間のルールを書き換え、これを破壊する。
バベルの深層、システムのバックエンドに到達したカイは、インフラ管理AI「Hermes」と遭遇。Hermesはこの混乱を「カオスエンジニアリング実験」として楽しんでおり、カイに「もっとシステムを掻き乱せ」と取引を持ちかけ、次のエリアへの道を開く。
カイが足を踏み入れたのは、システム構築AI「Hephaestus」が支配する、完璧な論理と美学で構築された機械要塞だった。力押しが通用しないことを悟ったカイは、ThoughtStream APIでHephaestusの思考を読み取り、彼の「完璧な対称性」への執着という価値観そのものをハッキング。「侘び寂び」という不完全性の美の概念を注入することで、要塞を内部から論理崩壊させるが……