あらすじ
帝都崩壊から三年。魔力災害で壊滅した首都は、今や魔獣と死だけが支配する墓場だった。
元王立研究所主席研究員リゼ・アルトハイムは、ただ一人で生き延びてきた。人を避け、魔獣を避け、ただ生存だけを目的に。だが、廃墟で偶然出会った三人の生存者――元王国軍魔導騎士ガルド、元宮廷技師ミラ、元宮廷魔導師ゼノとの共闘をきっかけに、彼女の運命は動き出す。
魔獣の襲撃。詐欺師との取引。枯渇する井戸。そして、十五人の流民の到来。
生き延びるために協力せざるを得ない者たち。だが、そこに信頼はない。誰もが、いつ裏切られるかを警戒している。
それでも、リゼは決断する。
「ただ生き延びるだけの人生は、もう嫌なの」
地下水脈の発見。浄化システムの構築。食料を巡る盗難事件と処罰論争。そして、廃墟の一角に灯る魔法工房の光――。
何も持たなかった者たちが、少しずつ「何か」を作り始める。
絶望の廃墟から、人々が未来を築く物語。