あらすじ
夜の国道を走るトラックドライバー、相川永吉(通称パル)。
かつて自衛官として御巣鷹山の救助活動に従事した彼は、
命の重さを胸に刻み、退職後は孤独な長距離運転の道を選んだ。
妻を亡くして十年。
子どもたちも独立し、夜の相棒はエンジン音とラジオ代わりのライブ配信。
ある日、そんな彼が出会ったのは、
配信者・真紀の優しい声だった。
彼女の笑い声は、暗い夜道に灯る小さな光のように彼を癒やし、
やがて彼は常連リスナーとして“応援団長”的存在になっていた。
配信のコメント欄では冗談を交わし、
真紀を笑顔にすることが彼の楽しみとなった。
ある夜、真紀がふとつぶやく。
「もうじき、誕生日なんです」
その一言に、パルの心が静かに揺れた。
長い孤独の中で感じた、
真紀のために何かをしたいという想い。
夜のトンネルを抜けた先に見える小さな光
それは真紀の声そのもののように、
彼の道をそっと照らしていた。