あらすじ

核・生物・化学が連鎖した終末ののち、人の街には“秩序”の名を借りた暴力だけが残った。 そんな世界で、ある男が未来に託した人工生命体たち——楽園の造成者——は、武器庫ではなく掲示板を、軍靴ではなく回廊を、怒声ではなく鈴を手に取る。 彼女たちが掲げる原則はただ一つ。「刃は最後」。 封印三重の監査票、資材の公簿、退路を示す白▲。黒枠に塗られた嘘は上から白枠で上書きし、誰にでも読める形で残す。 “見せしめ”を好む首都、夜の闇に潜る「棒の腹」。増殖という恐怖、配給に混ざる微かな不正、空から降る監視と通達。 造成者たちは非致死の道具と十語の合図だけで、速さに頼る暴力を退屈な手順へと引きずり下ろしていく。 戦う代わりに見せる。命じる代わりに閲覧させる。 紙が刃を薄め、鈴が人を生かし、道が誰のものでもないと証明する——そんな戦いの果てに、彼女たちが目指すのは“楽園”ではなく「起きたら世界をきれいにする」という毎日の継続だ。 読めば転ばない。見せれば争わない。 戦場は掲示板、そして勝利は退屈の年間出力で測られる。 公開は武器になり、終戦は刃を眠らせたまま訪れる。 “紙・鈴・道”でゼロから秩序を組みなおす、新しいポストアポカリプスSF。

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カクヨム
カクヨム2025/10/21
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