あらすじ
看護学生のみさは、祖父と祖母と暮らす家で育ち、厳しくも優しい祖父の愛に支えられてきた。だが、祖父が認知症を発症し、同じ質問を繰り返す姿や祖母の苛立ちを目の当たりにするたび、みさは大好きな祖父が「他人」に変わっていく恐怖に苛まれる。勉強に対して、 厳しい祖父、幼い頃に手を引いてくれた祖父の記憶が、みさの心に深く刻まれる一方で、祖父の記憶からはみさの存在が消えていく。
4年後、看護師になったみさは実家に帰る。祖父はみさを「知らない人」と呼ぶが、ふと言葉に滲む昔の温かさに、みさは救われる。祖父の記憶が消えても、みさの心には祖父の笑顔が生き続け、彼女を支える力となる。認知症による喪失と向き合いながら、みさは看護師として、祖父の愛を胸に未来へ歩み出す。