あらすじ
かつて人間が獣を支配した時代は終わり、いまや獣族が支配者となった世界
すべての命は、理性と生命を保つルーメン《Lumen》と呼ばれる神の薬に依存していた
薬を断てば狂気に沈み、存在そのものが崩れていく。
それが、この世界の秩序だった
獣族が支配するこの世界で、“存在してはいけない人間”と出会った蝙蝠族のゼル
身を隠し、切れかけた薬を繋ぐように生き延びてきた彼は、路地裏で倒れかけ、ひとりの人間と出会う
終身奴隷として番号で呼ばれ、過酷な実験のもと、感情を持つことすら罰とされてきた人間――リフ
そして、災いをもたらす者として故郷を追放された――ゼル
名前を持たぬ人間と、居場所を失った獣。
互いに逃亡中の二人の出会いと存在が、世界の“秩序”と“禁忌”を静かに侵していく