あらすじ
私を呼ぶ声は、いつだって冷たい罵詈雑言(ばりぞうごん)ばかりだ。『化け物』、『母親殺し』、そして……『感情のない女』。
「笑えよ。それができねぇからイジメられんだろ」
イジメっ子の汚い靴が、私のアームカットの痕(あと)を踏みつける。焼けるような痛み。でも、胸の奥はもっと痛い。
夜が苦しくなると、私は刃物を手に取る。手首を切ると、血と一緒に心が詰まらせた息が溢れ出し、一瞬だけ呼吸ができる。
「明日こそは、死ねますように」
毎晩願って眠るのに、神様は今日も私を見捨てた。どうせ私みたいな“怪物”は、生きる気力すら残っていないのだから。