あらすじ
人里離れた山中に建つ、巨大な鏡張りの洋館「虚像の館」。ある資産家が道楽で建てたその館で、資産家の孫娘である著名な女優の誕生日パーティーが催された。だが、パーティーの最中、招待客の一人である小説家が、自室で何者かに殺害される。
館は豪雨により唯一の道路が土砂崩れで塞がれ、外部との連絡が完全に遮断される「クローズド・サークル」と化す。館の鏡は、光を反射するだけでなく、見る者に歪んだ残像を見せることがあり、閉鎖的な状況と相まって招待客たちの疑心暗鬼を煽っていく。
探偵役を務めることになったのは、偶然居合わせた推理作家志望の青年。彼は招待客たち一人ひとりの過去に隠された秘密を暴きながら、鏡が映し出す虚像と現実の狭間で、事件の真相へと迫っていく。やがて明らかになるのは、資産家の遺産を巡る血なまぐさい欲望と、館に隠されたもう一つの「鏡」の存在だった。