あらすじ

深夜二時。窓ガラスが突然震え、光が差し込む。
男が窓を開けると、ホウキにまたがった妖精が現れた。その顔は、精神科デイケアで出会った女性・真子に瓜二つだった。妖精は言う――「私はアンドロメダ星雲から来ました。ここであなたと一緒に暮らします。」
戸惑いながらも男は妖精を部屋に招き入れ、奇妙な共同生活が始まる。妖精は毎朝、目玉焼きを焼きながら宇宙の理(ことわり)を語る。
「意識はテレポーテーションするの。
病んだ心は、元気な分身の意識で癒すのよ。」
彼女は未来の真子の分身だという。愛こそが意識を移動させる鍵――妖精はそう言い残し、男に「真子を好きになって」と告げる。翌日、デイケアで会った真子は何事もなかったかのように笑っていた。彼女は妖精のことなど知らない。夢か、幻か、テレポーテーションによる実体なのか――。男はコンタクトレンズを外し、意識の異常を疑う。それでも妖精の姿は心から離れない。やがて男は、真子を食事に誘い、恋とも科学ともつかぬ会話を重ねる。
「人はなぜ心を病むのでしょうね」「人間だからです」と答える真子。
その一言に、男は“妖精の言葉”の意味を思い出す。
妖精は消えた。だが、彼女が去った夜から、男の中で“意識”の探求が始まる。多元宇宙、テレポーテーション、魂の転移――。彼はアンドロメダ星雲を天体望遠鏡で見上げながら、あの妖精が「未来の真子」であった可能性を信じ始める。七夕の夜、空に浮かぶ星々を見つめながら男は呟く。
「妖精は幻か、未来か。それとも、僕自身の意識だったのか――」

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アルファポリス
アルファポリス2025/10/21
  • 現在の作品テレポーテーション・フェアリー