あらすじ

語りは火だ。 沈黙でも届く。 そして、語った本人はだいたい胃が痛くなる。 紅蓮王国では、語り手が風に向かって記憶を語る。 それは精霊場に届き、構造を揺らす。 つまり、語るだけで世界がちょっと変わる。 すごい。でも、ユグ・サリオンは語るたびに腹を押さえてうずくまる。 肩に乗る精霊ルクスは、毎回「またか…」という顔で羽を震わせる。 一方、帝国は語りを「幻想」と断じた。 「語り?そんなもの、構造で遮断すればいい」 そう言った将軍レオニスは、兵士の人格ごと削り落とした。 記憶遮断、感情封鎖、自己認識の希薄化──それ、兵士というより家電では? 語りに怯える完璧魔術士イルミナ。 語りの揺らぎを観測する魔術士リュミナ。 語りの倫理を守る参謀ミルフィ。 設計図に悩む副官シュヴィル。 そして沈黙の英雄レオニス。 語りの火は、彼らの構造を静かにほどいていく。 語りは、誰かの痛みに触れたとき、灯る。 誰かが語らなくても、誰かが沈黙していても、 語りは、そこにある。 そして、世界は少しずつ変わり始める。 | 語りに触れるか、構造に飲まれるか。 | あなたの沈黙にも、火は灯るかもしれない。

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カクヨム
カクヨム2025/10/21
  • 現在の作品「風の残響」