あらすじ
高校2年の白鷺 凛(しらさぎ りん)は、学校では「氷の女王」と呼ばれていた。成績優秀、見た目端麗、口数少なめ――「男子に興味ない」「笑ったところを見たことない」「視線が合うと凍る」などという噂まで。クラスメイトたちは距離を置き、誰もが遠巻きに彼女を眺めていた。
しかしその正体は――凛自身が認めざるをえないほどの“超ド級コミュ障”。話しかけられれば声が出ず、笑顔はどこか引きつり、返事は「…あ」か「…(無言の頷き)」。視線が合っただけで顔が真っ赤になり、むしろ相手を睨むような形になってしまう。本当は「友達ほしい」「普通の高校生活送りたい」と願っているだけだった。
そんなある日、学園の王子様、一条 蓮(いちじょう れん)に“弱み”を握られてしまう。終わった――と思った凛だったが、蓮はその弱みを誰にも言わない代わりに、なぜか凛にまとわりつくようになって――
「白鷺さん、次の休み時間、屋上行こ」
「白鷺さんのノート、世界一分かりやすい。勉強教えて」
「白鷺さん、放課後…ヒマ、だよね?」
返事が「…(コクコク)」「…(フルフル)」しかできず、誤解はさらに深まる。
「見て、女王が王子を“氷の視線”で従えてる!」
「一条くん、ついに女王様に屈したの!」
「冷たい態度なのに…一条くん、Mだったんだ…」
違う! 違うの! 私はただ、蓮くんの陽キャオーラが眩しすぎて、まともに喋れないだけなのに、蓮くんは(たぶん)私のコミュ障を見抜いて、面白がってるだけ! そう思っていたはずが――
「俺さ、白鷺さんが他のヤツと話してるところ、見たことない」
「…(緊張)」
「それって、俺が“特別”ってこと?」
え? この人、もしかして私のコミュ障に気づいてない……?
これは、超絶コミュ障で「氷の女王」と誤解されている少女と、彼女の(緊張ゆえの)塩対応を「自分にだけ見せるクールなデレ」だと盛大に勘違いした陽キャ王子との、すれ違いまくる学園ラブコメディ。