あらすじ
■ あらすじ
死を掌握した者たちは、死の神秘を失った。
繋術師たちは死のメカニズムを解明し、魂と肉体を繋ぎ直す技術を確立した。
しかし、生と死の境界が曖昧になったとき、世界は歪んだ。
死への畏怖が失われ、「繋留者」──死んでも完全には死なない存在が現れた。
合極級繋術師シエノラは、かつてその歪みを正すために決断を下した。繋留者の絶滅である。
しかし彼女は、ただひとりの繋留者を秘密裏に保護している。
弟子として、人間として。
そして──もう一度、問いを持つ者として。
理解することは神秘を殺すのか?
死を扱う師弟の、静謐な罪の物語。
■ 世界観
・ソウル(魂)
個人の記憶・経験・感情の総体。
言語によって構築された「その人らしさ」の物語。
・シェイド(物語を象る詩)
その人の魂を呼び起こすための詩的表現。
個人の本質だけでなく、その人を認識する他者の記憶も織り込まれる。
・繋留者
不死の存在。
繋術の濫用により生まれた、生死の境界が曖昧な者たち。
彼らの存在は死の神秘性を破壊し、世界の秩序を歪めた。
現在は絶滅したとされている。
・身体なき蘇生の危険性
完全に消失した死者の蘇生を試みると、術者の主観で「創作」してしまう。
結果として、外見・行動は本人と同じだが、真の魂を失った空虚な存在が生まれる。
■ 登場人物
・ルヴァント・フェルム
繋術師の弟子。
一度死に、蘇生された身。
しかし自分が「繋留者」であることは知らない。
・シエノラ・ルミニア
合極級繋術師。
「灰禍の死霊術士」の異名を持つ。
左半身が灰色に変色している(過去の失敗による傷)。
誓約「死体のない死体は蘇生させない」を持つ。