あらすじ
内山康物語 ―光の先に未来を見る―
焦げた土の上に、
ひとすじの光が差した。
焼け跡の街で、少年はその光を見た。
「見えないものが、世界を動かしている」
——それが、はじまりだった。
鉄くずの匂い、
錆びたネジを回す音、
手のひらの小さな電流。
誰も知らない未来を、
ひとりの青年が見ようとしていた。
アパートの一室、
蛍光灯の白い光が夜を溶かす。
焦げた基板の匂いと、
はんだの煙。
「誰もやらないなら、俺がやる」
その声が、暗闇の奥でかすかに響いた。
光はまだ弱く、
金もなく、仲間も少なかった。
だが、孤独な夜を越えるたびに、
装置の中に、宇宙が見えた。
——見えた。
半導体の奥に、
肉眼では届かない世界があった。
電子が走り、
未来が形をとりはじめた瞬間、
胸の奥で何かが震えた。
世界が気づくより先に、
彼は知っていた。
「光は、言葉よりも早く真実を映す」
風の乾いたシリコンバレー、
拍手と喧噪の中でも、
彼の耳は静かだった。
「まだ見えない欠陥がある」
それは、謙虚ではなく、探求だった。
EUV。
見えない光を使う挑戦。
誰も歩んだことのない道を進むとき、
彼は笑って言った。
「見えないからこそ、やる価値がある」
会社が揺れた夜、
社員の声が心に残った。
「社長、あなたの光を信じています」
その瞬間、彼は知った。
技術は人を支える“心”から生まれる。
そして、
夕陽の差す窓辺で、
老いた手がノートを閉じた。
“光を絶やすな。未来を照らせ。”
インクが乾く音が、
祈りのように響いた。
広島の朝、
少年が見上げた光は、
今も世界の芯を走っている。
それは、
見えないものを信じた男の、
永遠の証。