あらすじ
古びた街角の喫茶店で、静かにペンを走らせる女性・沙耶。
彼女は「代筆屋」として、人々の胸の奥に眠る言葉を手紙に綴る仕事をしている。
恋心、謝罪、遺言——誰にも言えなかった想いが、彼女の手によって形になる。
その傍らには、黒白の猫・フユがいつも寄り添う。
不思議なことに、フユの瞳に見つめられると、人は自然と本音を語り出してしまうのだ。
ある日、亡き妻への最後の手紙を依頼した老紳士が現れる。
涙とともに語られた言葉は、沙耶の手によって静かに便箋へと移される。
そしてその夜、彼女の机に残された一枚の便箋には、彼女が書いた覚えのない文字が浮かび上がっていた——。